「銘茶のふるさと」

悠々と流れる大井川、連なる原生の深山。
その鮮やかな緑を川面に映し、山々と呼応するように芽吹きます。

川根地域は宇治茶・狭山茶とならぶ日本三大銘茶「川根茶」のふるさとです。


「自然を活かし、技術を高め。茶作りにかける情熱が本物の味を作る」

静岡県のほぼ中央に位置する川根本町は、北に1000mを超える山々が連なる山間地。
平地に比べ日照時間が短いため、お茶の渋みが抑えられ、さらに大井川の川霧が
茶葉を覆って守ります。
昼夜の温度差が大きく茶葉の中に養分が残りやすいという条件も備えています。
大井川と南アルプス、大自然は川根茶に本物の美味しさを吹き込んでくれるのです。

川霧

こうした自然条件のもと、昔から手摘みや手揉みの技術をもとに製茶の技術が
発達してきました。
現在でも乗用型の摘採装置の導入や近代的な製茶装置の完備など、生産技術の
向上に努めています。

摘採機

「川根茶の特徴は」

川根の里は降雨が多く日中の暖気そして夜は湿った冷気をもたらします
昼夜の激しい温度差によって、お茶の芽一葉一葉は水分が多く柔らかくしなやかに育ちます
このため葉肉が薄く柔らかいため
酸化を止める蒸熱時間も短く済み、やさしく揉み上げるため形が細く
濃緑色をした針状に仕上がります。

針状の形

水色は、形が崩れていないため、沈殿物の少ない澄んだ黄緑色になります。

水色

香りは、蒸熱時間が短いためお茶本来の香りと山間地のお茶特有の爽やかな香りが
楽しめます。

味は、のど越しすっきり、旨み甘みの中にほど良く調和した渋みが感じられ、いつまでも
おいしいあと味が残ります。

「川根茶のはじまり」

川根地域にお茶作りが伝えられたのは、1200年代。
1241年に聖一国師が、中国から持ち帰った茶の種子を静岡の足久保の地に
蒔いたのが広まり、大日峠を越えて大井川上流・中流に伝えられたのが最初
ではないかと言われています。

大井川

また、1600年代には伊久身村の坂本翁が近江の国から持ち帰った優良種子が
大井川中流地域に広まり、今日の川根茶産地の礎になったと考えられています。

1710年にはお茶が租税として納められた記録が残されています。